過去のラン

NPO法人発達わんぱく会

「NPO法人発達わんぱく会」は「こころとことばの教室こっこ」を運営し、発達障害またはその疑いのある子どもを対象とした児童発達支援事業を行っている団体です。
こっこ浦安駅前校の教室は二部屋に仕切られ、子ども達の様子を親が隣の部屋からマジックミラー越しに見られるような仕組みになっています。子ども達は伸び伸びと過ごし、親御さんも安心して見守っている様子が伺えました。今回は団体代表の小田知宏さんと浦安駅前校教室長の田中寿子さんからお話を伺いました。


(左から)小田さんと田中さん

FIT:発達わんぱく会を立ち上げた経緯を教えてください。
小田:私自身は42歳で娘が二人います。東京大学経済学部卒業後は将来社長になりたいという思いでまずは丸紅に勤務し、その後、当時(1999年)介護ビジネスが成長分野と考え、コムスンに転職し、障害者支援の担当として初めて発達障害の人と出会いました。みんな頭が良いのです。例えば、本を読むのがめちゃくちゃ速く、目で見た情報を一気に脳が処理できる天才的な能力を持っている一方、耳から聞く言葉を理解することがとても苦手だった。おそらく、小中学校では先生からはそんな特性は全く理解されず、社会不適応を起こして知的障害手帳を持っていたのです。「もし、幼児期にその特性が理解されていたら、すごい天才になっていたかもしれない。」という人が何人もいたのです。でも30歳になった彼らに僕たちが福祉として関わっても何もしてあげられず、もし、その人たちと幼児期に出会っていたらその人に僕たちが関われることはいっぱいあっただろうし、その人の人生も全く違うものになっていただろうなと思ったことが、この発達障害の幼児支援に関わる事業をすることにした一番の動機です。

FIT:「発達わんぱく会」と「こっこ」の名前の由来を教えてください。
小田:発達障害の支援をしようと思ったので「発達」という言葉は入れたい、「わんぱく」は子どもの興味や主体性、やりたい気持ちを最大限尊重し、大人が環境を整え、子どもは自由に伸び伸びと「わんぱく」に育って欲しいという思いからです。一人の子どもの成長はみんなで支える、地域で支えるという意味で「会」をつけました。
「こころとことばの教室」は子どものどこを伸ばすか。人と関わりたいのは心だし、それを実現するのは言葉、心を伝える手段。それを伸ばしたいという気持ちでつけました。子どもに心と言葉の教室に行きたいと言わせるのはちょっと難しいので「ころととば」の「こ」を取って「こっこ」にしました。
浦安のみんながその子を理解して支えていくことがゴールなので、そのため株式会社ではなくNPOにしました。NPOは社会のものであり、それで街を変えていく、街づくりをしていく。発達障害の方が住みやすい街にする近道と思ったからです。

FIT:活動を続けていく原動力は何でしょうか?
小田:子どもたちが、人と関わろうと思っている姿に成長を感じた時です。普通に字が書けるようになったという成長よりググッとくるのです。人との関わりが苦手なのに、僕にチョコレートをくれた子がいて。あれ?そんなことできるの?と思った瞬間とか。お母さんも不安で険しかった表情が、半年経つと変わってくる。いい表情だなって思う時ですかね。あと、妻やスタッフも喜んで仕事に来てくれることですね。子どものためにも長く働ける職場作りも大切です。今年の春は16人が入社しました。喜んで長く働いているスタッフの存在もやりがいを感じさせてくれます。

FIT:田中さんご自身についても聞かせてください。
田中:私は元々浦安市の公務員で、保育士として29年間働いていました。その中で、「はみ出しちゃうような子に対してどうしたらいいかな」という問題意識をもっており、「お母さんたちの気持ちが分かるようになりたい」と思っていました。その後、保育園から転職し、そこで小田さんと出会い発達わんぱく会の事を知り、お仕事をさせていただくことになりました。「お母さん方と寄り添いたいな」と思いながらやっております。

FIT:田中さんが感じるやりがいは何でしょうか。
田中:子ども達の成長に寄り添っていられるというのが楽しいですね。お母さん方に笑顔が出てくるというのがとてもやりがいがあると思います。
親が外に出て行かないと子どもが外に出られないので、親御さんがここまで来てくれてありがとうという気持ちになります。お母さんの笑顔が変わってくると子どもも変わるので、そういうシーンをいっぱい見たいなと思います。

FIT:発達障害の子どもと接している中で一番難しいことは何でしょうか。また、それに対してどのように取り組んでいますか。
田中:どうやったらその子をわかってあげられて、良い方向に進めるのか、それをどう手助けするのかが難しいですね。人間は機械ではないので、その子自身を大事にしながらというのが難しいです。

FIT:発達障害の子どもと接する機会の少ない人は、どのように対応したら良いですか。
田中:やっぱり戸惑いますよね。大声を出したり、一人で喋っているのを見ても、それをわかってもらうには時間がかかりますし。色々な人がいるということを決めつけないで欲しいかなって思いますね。親のせいだなんて言われたりすると、親御さんが外に出たくなくなってしまうので、「色々な人がいて当たり前」ということが広く伝わっていくと良いのかなと思います。

FIT: FITチャリティ・ランに参加する方々をはじめ、皆さんにメッセージをお願いします。
田中:FITの方々が来て、私たちの活動を見てくれることが嬉しいです。寄付金を頂けるのも当然嬉しいですが目指している社会はお金だけではなく、一人ひとりの理解です。こういう顔合わせができる機会がありがたいです。


Tae Ahn(FIT2016広報チーム副実行委員長)、嶋倫子(FIT2016広報チーム)とわんぱく会の田中さんとスタッフの方

2017

2016

2015

2014

2013

2012

2011

2010

2009

2008

2007

2006

2005