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【支援先団体インタビュー】第4回 特定非営利活動法人BOND プロジェクト

「特定非営利活動法事BONDプロジェクト」は、虐待、いじめ、性被害、自殺願望など深刻な問題を抱えている若年女性を対象に、メールや電話、面談、繁華街に出向いての声かけなどを行い、様々な声を聴くことで、彼女たちが自分を表現できる居場所をつくる活動を行っています。また、そういった女の子たちのリアルな「声」を伝えるフリーペーパー「VOICES MAGAZINE」を出版したり、必要に応じて他の支援機関へ繋ぐなどといった様々な支援活動を行っている団体です。スタッフの橘ジュンさん、竹下奈都子さん、そしてフォトグラファーのKENさんにお話しを伺いました。


(左側から)BONDプロジェクト フォトグラファーのKENさん、代表の橘さんと竹下さん


FIT:活動を始めた経緯や、当時の想いなどを教えてください。
橘:以前から、家に帰りたくても帰れないとか、色々な悩みを抱えている女の子に街で話しかけたり相談に乗ったりしていたのですが、ある日、妊娠した女の子に出会ったことがきっかけとなりました。
彼女は子どもを生まなくてはいけない状態なのに、街に立っていたのです。相談所を探せばすぐなんとかなると思っていたのですが、予約をしないと来てもらえませんでした。その時に、こういう時すぐ病院に一緒に行けたり、すぐ相談ができる場所が出来たらいいなと思い、BONDを立ちあげました。色々な悩みを抱えている女の子の話を聴いていても、何も出来なかったことがいやでした。

FIT:団体の最近の活動内容について聞かせてください。
橘:FITからいただいた資金で「BOND車」を買い、大活躍しています。
例えば、最近、ツイッターに「家出しちゃった。置いてくれる人募集します。少女4万円で売ります。」という、ある女子中学生の投稿がありました。幸い、BONDのことを知っていた人が私たちをその女の子と繋げてくださり、彼女と連絡を取り合う中で、居場所を突き止めることができました。「BOND車」でその子を迎えに行き、無事BONDの保護室へ戻り、一週間後児童相談所に行きました。彼女が援助交際をすることから救えました。

FIT:探偵のような活動もされるのですね。
橘:そうですね。時間がすべてです。車だとすぐ迎えに行くこともできるし、私たちが動きながら相談できるということがいいですね。最近は車で全国色々なところへ相談に行っています。すぐ移動できるので、安心して面談させてもらえるということがいいと思います。まだ車は使い始めたばかりですが、これからも色々充実させていければいいなと思っています。

FIT:繁華街で女の子たちに話しかける時に警戒されたりはしませんか。
竹下:無理な子は無理ですけど、大丈夫な子はすぐ「はい」といって話を聞いてくれます。私たちが話しかけに行った時にどんな態度をされるのかは、その子たちがどんな大人と向き合ってきているのかにもよると思います。日常会話から始めて、「今日はなんで渋谷にいるの?」と聞いて、「VOICES MAGAZINE」を見せて私たちがやっていることを話したりすることも多いです。

FIT:相手が喋らなくなったり、気まずくなったりはしませんか。
橘:それでもいいのです。無言であることも「声」なので、私たちはいつも待っています。「声」を出せない女の子もいますし。
竹下:女の子に話しかけた時、黙って何を話したいのか分からない時は、きっと色んなことを考えています。忍耐力が必要ですね。

FIT:KENさんはVOICES MAGAZINEに乗せる女の子たちの写真でどんなメッセージを伝えようとしていますか?
KEN:何かを伝えると言うより、本人の気に入るような写真を撮ろうとしています。撮った写真を女の子たちに見せて気に入ってもらえなかった写真は使いません。ただ、撮影に入る前に、必ずその子たちの話を聴いています。女の子たちの悩みや話を聴く前には写真撮りません。
橘:取材と悩み相談にはいつもKENさんに付き合ってもらっています。

FIT:相談の内容がつらくて、ご自身は落ち込んだりすることはありませんか。
竹下:それでもやっぱり一人で悩んだりするよりは誰かと話を共有して一緒に考えた方がいいので、独りじゃないのだと気付いてほしいです。
橘:「ただ聞く」っていうことはすごく難しいですね。なんとかしてあげたいという気持ちも強いけれど、まずは聞こう、ただ聞こう、そしてまた会えるって信じよう。それしかないのです。実際そうやって何回も会っている女の子もたくさんいますので、こうやってずっとやって行くしかないと思っています。

FIT:活動をしていて嬉しかったことはありますか。
橘:二年前、死にたいと思っていたという看護師さんが面談をしに来てくれたことがありました。私たちと話した後、死にたいという気持ちを抑えられたと言ってくれたのですが、その気持ちがまた盛り上がって、昨日突然BONDの相談室に来てくれました。彼女は看護師なので、色々な医療機関を知っていると思いますが、うちを選んでくれたのです。「BONDに話を聞いてもらいたい」と言われた時はすごく嬉しかったです。

FIT:BONDさんの活動についての情報が広まって、相談を求める人が増えているのでしょうか。
橘:それも多いですし、最近はキーワード検索で「死にたい、消えたい」と検索するとBONDが出てくるようになっていて、それでBONDに連絡してくるという傾向も少なくないですね。ツイッターなどのSNSでBONDのことを知ってもらうこともありますし。私たちが活動をすれば、それだけ支援の機会が増えていくと思います。

FIT:貴重なお時間ありがとうございました。これからも応援します。

BOND Projectのホームページはこちらです。

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