一般社団法人ハートフルファミリー
一般社団法人ハートフルファミリーは、シングルマザーとシングルファザーの総合的な自立支援活動を行い、シングルファミリーの親子が活力ある社会生活を送れるよう支援しています。今回は、本団体設立の原動力となり、現在も運営の中心を担う理事の西田真弓さんにお話を伺いました。
ハートフルファミリーを始めたきっかけを教えてください。
シングルマザーである私自身の経験とシングルマザーの方々との関わりから、ひとり親の根本的な問題解決に取り組みたいと考えていました。また「安定した仕事」「頑張りが結果に反映されるやりがいのある仕事」を得ることが、ひとり親家庭の抱える多くの問題解決につながりますが、そうした経済的な自立に向けた支援が不足していると感じていました。
ひとり親で子供を抱えながらフルタイムで働くことは、非常に困難です。ひとり親の平均年収は、一般家庭の3分の1、70%の家庭が年収200万以下です。企業側にも、依然ひとり親家庭への偏見も多く、サポートが少なく、安定した仕事を得ることは非常に難しいです。
私自身がシングルマザーになった時にも起業しか選択肢がなく、図らずして会社を立ち上げることになりました。シングルマザーを雇用し、相談に乗るなかで、話を聞くことはできても根本的な解決にはならず、一時は彼女たちの話を聞くのをやめてしまったほど自分の無力さに落ち込むこともありました。
また、行政の支援は、情報が探しにくく手続きも複雑で、非常に手間と労力がかかる一面があります。日々仕事と子育てに翻弄し、睡眠時間も十分に確保できないシングルマザーには、ハードルが高いものでした。
自身の子育てが終わった数年後でも、こうした状況が一向に変わっていないことをシングルマザーの方々の話から知り、経済自立に向けた支援をしたいと噴気しました。その想いを、ご縁があって現在の本団体代表理事になる藤澤氏に話したところ、「一緒にやろうよ」と背中を押してもらったことが本団体設立のきっかけとなりました。
FITからの寄付金はどのように使用されていますか?
会員管理システムの導入に活用しています。現在、サポート会員は1万2000人を超え、さらに増え続けています。各会員のデリケートな個人情報を安全に管理し、適切な支援を提供するには、やり取りを記録するシステムが必要です。導入に向けて急ピッチで準備を進め、8月から新しいシステムへと移管し構築を積み重ねています。おかげで使いやすく、マニュアル作業が少ないシステムを導入でき、今後も増えていく会員にも対応できるようになりました。
私たちからはどのような支援ができるでしょうか?
ハートフルファミリーが大切にしている活動に、寄付していただいた食品等の物資を毎月会員に提供する「サプライズギフト」と、年末に全会員に送る「クリスマスギフト」があります。物資支援のサポートは一時的ではありますが、夏休みや年末の物資需要が高まる時期には必要なサポートであり、会員の皆様への心理的なつながりと応援の気持ちの表れとして、継続して行っている大切な活動です。
物資の提供や配送費はご寄付、配送作業はボランティアで成り立っている活動です。会員数増加を受けて、2022年末は約8,000箱を発送しました。物資支援に加え、こうした配送作業への人的サポートも必要です。2023年は10,000世帯、15,000人の子どもたちへ届ける予定です。企業、団体単位でのサポートもありがたく、随時募集しています。
2022年のクリスマスギフト梱包・発送の様子
https://www.youtube.com/watch?v=hZKUjARwjxk&t=30s
2023年の特設サイト「HIGHFIVE CHRISTMAS2023 プロジェクト」
https://www.hf-f.com/charity-for-christmas2023/
今後はどのような活動の広がりを考えていますか?
新たな取り組みとして、毎日の子育ての助けとなり、心休まるようなキッズエンタメ総合番組『MOUCHA BoooK(モチャブク)』の企画に携わっています。毎週火曜日と金曜日の18時から配信しています。制作総指揮はブラザートムさん、楽曲提供は中西圭三さん、ナオト・インティライミさん、GAKU-MCさんら豪華アーティストたちです。
会員の増加を受けて、より多くの活動資金が必要ですが、企業の寄付金予算には限界があります。一方、企業には広告費・イベント費など様々な予算枠があります。本番組を育て、寄付金以外の多様な予算枠を得る資金源としていきたいと考えています。
番組はハワイに現存する、外部の人が入れない、約170名が生活するプライベート島「ニイハウ島」をモデルにしています。笑いと、音楽と、子供達が知りたいことの答えを提供していくエンターテイメント番組です。ぜひご覧ください。
公式YouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/@MOUCHABoooK
最後にこの記事を読んでいる方にメッセージをお願いします。
日本における寄付やボランティアは、関わる方が限定されていることに加え、とらえ方も欧米とは異なると感じています。私は難しく考えずに、FIT for Charity Runのように自分や家族が参加して楽しみ、それが社会のためにもなる、そういう支援の仕方でよいのではと思います。気軽で楽しいことが、より多くの方々の参加と継続した支援にもつながります。そうした寄付やボランティア・カルチャーを広げていくことが、日本には必要とされていると感じています。皆さんも重くとらえすぎず、目の前のできることから、明るく、楽しく、取り組んでいただければと思います。
シングルファミリー応援情報サイト「ハートフルバンク」
https://hartfullbank.com/
シングルファミリー自立支援プロジェクト「555日のチャレンジ」
https://555.hf-f.com/
一般社団法人ハートフルファミリー
https://www.hf-f.com/