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NPO法人さいたまユースサポートネット

FITチャリティ・ラン2020の支援先団体の一つであるNPO法人さいたまユースサポートネットは、様々な困難により居場所がなく将来への不安を抱えた子ども・若者たちへの支援として、現在さいたま市を拠点に5つの事業を展開し、2011年度からさいたま市内に複数の居場所をつくることを事業としています。本日は、代表の青砥恭さん、事務局長の青砥祥子さんにお話をお聞きしました。


団体を立ち上げた経緯を簡単に教えてください。
当団体の代表である私の父が設立しました。長年、高校や大学で教壇に立ち自身の研究活動と並行しながら、ボランティアとして地域の教育を語る会や子育て支援を埼玉県内で行っていました。高校を中退した生徒さんたちを沢山見てきましたが、こういった子どもたちの背景の混乱には貧困という問題があるのではないかとずっと考えていました。その延長線で彼らを集めて居場所づくりをしようというところからスタートした団体です。

FITからの支援金はどのような形で使われましたか?
特に小学生を対象としたサッカー事業に使っています。習い事が出来たり出来なかったりするのも経済格差というところが大きく影響します。開かれたスポーツ教室(サッカー)を通じて沢山の子どもにリーチが出来ています。コーチにはプロサッカーのユースチームに所属していた方に来てもらい充実したプログラムを組めています。中には子どもたちの輪に入れない子どももいますが、カメラ係をお願いしたり、お弁当を配るのを手伝ってもらったりと、一人でも多くの子どもが活躍できる活動にするようにしています。一緒に何かをやることで子ども同士が、上手くコミュニケーション取れるようになり、その子自身が来て良かったと思え、今日はこれができたというような達成感や安心感を感じられればと願いながら活動しています。

参加にあたり制限等は設けていないのですね。
貧困対策の名目で事業を行うと偏見が出るなどして、本当に必要な人がかえって来づらくなってしまうことがあるかと思います。そのため私たちの活動は自主事業に関しては 基本的には間口は広い体制を取るという考え方で行っています。そのため特に参加の制限は設けていません。

NPO法人として活動していく中での困難な面を教えてください。
まず一点目はやはり資金の問題です。日本全国で、280万人の子どもたちが相対的貧困の中で生活しています。子どもの七人に一人という割合です。政府から生活保護などの支援を受けているのは、そのうち25万人ほどなので、多数の制度から漏れてしまっている子どもが多くいます。私たちの対象としているのはまさに彼らです。必要な家庭にアウトリーチしながら、必要とされているプログラムを考え提供し、当団体に来てもらっています。現在の法制度でカバーできない子どもたちのための事業を行うためには、助成金や寄付金を募って行うしかありません。資金調達は常に重要な課題です。二点目としては、私たちの活動をいかに広く周知し、そして理解してもらえるかという問題です。まだまだ支援が必要な子どもたちは大勢います。私たちがいるんだよ、居場所はあるんだよと、地域の行政、学校、住民の方々と協働で、支援が必要な子どもたちになんとか知ってもらいたいと思っています。 

子どもの貧困にフォーカスされているということですが、昔と比べて貧困層に違いはありますか?見えない貧困ということばも聞いたことがあります。
確かに、こぎれいな服を着ており、スマートフォンもみんな持っている。一見するとわかりにくくなっています。しかし話をじっと聞いたり、実際に家に行ったりしてみると、冷蔵庫が空っぽだったり、極端に栄養の偏ったものを毎日食べていたり、家庭環境が良好でない場合が多く見受けられます。一例ですが、偏った食事をしていることによってタンパク質などの特定の栄養素が足りていない場合などが多いです。

私たちからは、どのような支援が出来ますか?
今回ご支援を頂いているサッカー事業もそうですが、是非皆さんが得意な分野で子どもたちに接してもらえればと思っています。学習支援のほかにも今後はアート、絵本の読み聞かせなど様々なプログラムを行っていきたいと思っています。決して特別な技能が必要なものではなく、皆さんが持っている特技や趣味などを活かして子ども達と一緒に遊んでくださるというような参加でも嬉しいです。

最後にこちらの記事を読んでいる人にひとことお願いします。
私たちの活動は、一つの NPOだけでできることではなく、地域との協働で行う事業です。一見普通に見える子ども・若者たちが、実は家に帰ると冷蔵庫が空っぽ、学校の勉強に全くついていけない、相談できる大人が近くにいないなど、孤立してる可能性があります。そのようなことも想像していただき、私たちの活動に加わって頂けると大変嬉しいです。
一人でも多くの子ども・若者を支援することができるように、ご寄付やボランティアを募集しておりますので、ぜひご支援をお願い致します。

さいたまユースサポートネット 応援プログラム
https://saitamayouthnet.org/donate

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